トランスフリーが世界の常識(その6)

トランス脂肪酸と日本の現状について

カップラーメンをつくると、表面に油が浮かんでいます。あれは調味液に含まれている油だと思うかもしれませんが、大半が麺に含まれている油です。即席ラーメンでは、蒸した麺を乾燥させて保存性を高めるわけですが、ただ干すだけではガチガチになり、お湯では戻せません。そこで140℃前後の低温で揚げて水分を飛ばし、乾燥させているのです。保存性を高めるだけでなく、油の中で沸騰する際に麺に微細な穴が開くので、そこにお湯が入り込むことで早く戻せるようにもなります。今はノンフライ麺も出回っていますが、油揚げ麺の場合、麺の重量のうち3割は油です。この油が曲者なのです。液体の油で揚げると酸化しやすく日持ちしないため、傷みにくい固形の油で揚げたいのですが、ラードでは割高になるので、安い大豆や菜種の液体油に水素ガスを吹き込んで固形化したものが使われているのです。このように水素添加した油を「硬化油」といいます。元が液体の油でも、固形化すると酸化されにくくなります。変質しにくく扱いやすいため、揚げ油だけでなく、マーガリンやショートニング、ファットスプレッドの原料にも使用されます。これはら菓子パンやスナック菓子、レトルト食品に多用される油です。問題は液体を固形に無理やり変えるときに「トランス脂肪酸」が発生することです。これが心臓病リスクを高めるということで、アメリカやカナダ、ヨーロッパでは食品への使用が禁止されました。アジアでもタイやシンガポールで全面禁止、中国や韓国ではトランス脂肪酸含有量の表示が義務付けられています。「トランスフリー商品でなければ売れない」それが今の世界の潮流です。しかし、日本だけは規制がなく、うやむやな状態です。なので日本のカップラーメンは海外にそのまま輸出することはできません。

超加工食品の

日本ではトランス脂肪酸を含む硬化油は使用した超加工食品は増加しており、超加工食品はコンビニや至る所で拡大しています。今のパンは昔の10倍近くの油が入ってます。これはしっとりした食感を出し、柔らかさを維持させるためです。また、あまみを出すのにシロップを入れたり、保存料や保存効果のある添加物の使用も増加しています。最近は「トランス脂肪酸のマーガリンは健康によくない」と聞かれ氣をつけている方も増えてきていますが、超加工食品には大量に使われてます。超加工食品を食べれば食べるほど、摂取量は増えていると考えた方がいいと思います。「精製加工油脂」と原材料にあるのものは、水素添加など人工的に手が加えられた油です。硬化油はホイップクリームやイミテーションチョコレートにも姿を変えことが出来ます。皆さんもすでにお氣づきかと思いますが添加物の使用で変化させます。まさに詐欺薬と言っても過言ではないと思います。私たちは多くの先進国やアジア諸国でさえ禁止、または規制されているトランス脂肪酸をいつまでも見過ごしていて良いのでしょうか。現代は与えられるルールではなく、私たちが必要としているルールを、私たち自ら作り上げる事が必要に時代に来ているのではないでしょうか。

次回、食事の力について。

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